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飴と鞭と甘いワナ

第3章 scene Ⅲ

ジッと手のひら見つめても。

ニノの何かが残ってるワケもなく。

ヘタり込んでるカッコ悪い俺が居る。

ただ それだけ。

リベンジだ!!って意気込んだケドさ 物の見事に返り討ちにあってンじゃん。

しかも倍返し…つかメンタルは倍どころの騒ぎじゃない、大ダメージ。

泣けてくる。

「……………………雅紀」

"厚かましく名前呼ぶな"
独り言ちて…見てやんない。

「まーさーき」

膝抱えて。
背中丸めて。

穴があったら入りたいけど…無いから出来るだけ小っさくなる。

したら頭ポンポンって。

"………ほら"
チラ見した目の先に差し出された煙草のパッケージ。

あ、俺のとおんなじ銘柄…って俺のタバコじゃんか!

何勝手に我が物みたいにしゃあしゃあと…挙げ句に堂々と吸いやがって。

パッケージごとニノから奪い取って。

悔しいから吸ってやる。

「誰のコト 考えてた?」

"早くパンツあげろよ"
的な仕草しながらニノが聞いてくる。

"誰"って誰?

「すばる…って……誰?」

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