
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
ニノが手招く…隣に来いって。
壁際のアンティークな猫足ソファにすっかり馴染むニノ。
もうなるようになれって感じ。
「この店、マジで趣味イイな」
エラく気に入ったご様子で。
ホントは教えたくなかった。
でも俺が勝負出来るモノのって此処しか思いつかなくて。
「雅紀…オマエって自分に自信無さ過ぎ」
"ションボリしない"
鼻摘ままれて。
その指がスッと顎まで…って!!
「…ンッ」
濃いってば、キス……押し倒…すなっ…
「…ヤンッ……二、ニノッ」
首筋に、鎖骨に……チカラが抜け……足、閉じらンないっ!
ちょ、ちょっ 待っ…膝でンなトコ グリグリって!?
「いいよね?」
「ダ、ダメ……ンッ」
何でこんな……華奢なクセに!!ガッツリ雄なんだよ!!
その時。
「「オイ…いい加減、俺ら入んで」」
ドアがドンドン ノックされて。
ハモる関西弁が聞こえた。
*
S「オマエ、来月まで出禁やから」
"当分来ンな"
すばるくんからキツ―いお達しと拳固頭に食らった俺達は揃って『ツヴァイ』を追い出された。
