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飴と鞭と甘いワナ

第3章 scene Ⅲ



すばるくんの名前出ただけであんな激しくイカされたんだ、信ちゃんの名前まで出してみろ、押し倒されてアソコ噛み千切られるかもしんない。

「呑も」

"かーんぱい"
俺の心配をよそにニノが旨そうに缶を傾ける。

一口二口…呑んでるウチに何かもう俺ン中の色んなグルグルが馬鹿らしくなって………

あ、そういえば

「俺ってさ、勝ったよね?」

ビリヤード…
コトの始まりは其れだったンだよ、思い出した。

「雅紀………見たよね?」

何を?

「俺の顔を見下ろせたじゃん」

"イイ思いさせてやったろ?"

えっ?ええ―――っ!?

もしかして、あの一瞬の攻め体勢のコト?

確かにウルウルなニノの顔、真下に拝ませて貰ったケドさ。

「有り難く思えよ…ンで何処行きたい?」

「は?何処?」

「デート」

いきなり話の腰折るか!?

己の要求はシレッと言うし。

俺の勝者の特権は一瞬だったのに!!

ニマッとニノが俺の顔を覗き込んでくるから

「……お任せします。」

「よろしい」

得意気に頭を撫でられ、されるがままの不甲斐ない俺。

今度は何処で何されンだろ。

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