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第1章 【cast1】ミク
店長がトイレに立った。
多分、ついでに会計も済ましてくるんだろう。
(解散か…)
星司と二人きり。
星司はボーッと宙を見つめている。
「…ミクさんは、真央のことどう思いますか」
ふいに星司が真顔で、おれの目をまっすぐに見つめながら言った。
俺の甘いところ。
すぐに当たり障りのない返答を用意できなかったところ。
空いてしまったこの間を、星司の鋭い目が刺す。
(…気づかれた)
「いい子だよね」
冷静に、目をそらさずに答えてみたけど
星司が視線を落とす。
鼻から抜けるタメ息。
(…気づいてた?もっと、前から?)
