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第1章 【cast1】ミク




「そういえばあれは?あのメールの話」


俺は平静を装って聞いてみた。


「え?あぁ…」


星司が待ち合わせの時に話してくれたことを、ほとんど同じ内容で店長に話した。


店長は少し考えてから話始める。


「真央ちゃんてさー、すごく頭がいい子じゃん?話しててわかるデショ?」


星司が「はい」と頷く。


「星司さー、真央ちゃんの前で他の客からのメールに対して返信面倒だなーみたいな態度とったことない?」


店長が尋ねると星司は顔を曇らせた。
どうやら思い当たる節があるらしい。


「まぁわかるヨ。俺もプレイヤー時代、営カノとか本営の子にはそういうこと言って、“お前は特別”感出したりしたし」


俺と星司は黙って店長の話を聞いた。



「でも真央ちゃんはさー、頭がいいし気が遣える子だからさ、自分のメールも星司の負担になってるんじゃないかと思って自粛してるんじゃないかナ」



星司が俯いた。


確かに店長の推測は納得のできるものだった。


さすが店長、と思うと同時に俺は切なくてやるせない気持ちになった。


(だって、そうなると真央は星司のこと本気で…)


 

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