
culb Colors
第1章 【cast1】ミク
次の日、真央は本当に来店した。
だけど星司には連絡してなかったみたいで、星司はずいぶん驚いていた。
「どしたー!?急に?また何かあった?」
「なんもないよー」
席まで歩く二人の会話が聞こえた。
真央が星司に連絡せず来たことで、星司は指名卓が被っていた。
星司が席を行ったり来たりする。
真央はいつも通り、誰がヘルプに来ても愛想よく楽しそうにしていた。
あと一時間ほどで閉店という頃、俺は未だに真央の席に着けてもらえていなかった。
(今日は指名客来てなくて暇なのに…、やっぱりNG出されてる?)
ムカムカしていると、どこかでシャンパンが入った。
(えっ、真央!?)
シャンパンは真央の席だった。
真央は今までシャンパンなんか入れたことはない。
(どうして急に?まさか星司と何かあった?)
シャンパンが入ったから、星司が別の指名卓から真央の席に戻る。
「え?なんで?なんで急に?」
星司はめちゃめちゃ驚いていた。
嬉しそうだけど、真央にしきりに「急にどうしたの?」と尋ねている。
(完全な真央のサプライズ?まさか星司のために仕事変えた…!?)
ぐちゃぐちゃ考えてる内にコールのために店内は暗くなり、音楽が派手に鳴り響く。
キャストに囲まれた真央はすごく圧倒されて、とにかくキョロキョロしていた。
そしてマイクを向けられた真央の一言。
「…えっと、今日でcolors卒業します!星司くんもみんなも今までありがとうございました!」
