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君と僕の超短編集

第13章 13


君の瞳に映る僕は


まだ子供のままだろうか


出会って20年 声もあげずにただ大人になるのを待ってた


ただひたすら君だけを想い


君だけを見てた


大人になった僕の前に現れた君の眼には僕じゃない誰かがいたんだ


やっと やっと大人になれたのに…


朝に夕に鳴く蝉のように


『僕はここにいるよ …智くん…』


声を張り上げ呼ぶんだ


叫び続け八日目の朝に力尽きたぼくに


君は気づいてくれるだろうか


『…翔ちゃん…』


そう呼んでくれるだろうか


君に抱かれる僕の姿を夢見ながら


僕は今日も君の名を叫びつづける



おわり

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