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Cream Puff

第1章 1

~二宮和也を溺愛しすぎている男。~

とりあえず、隣にいたい。

誰よりも近くにいたい。

そういうのは、ただの我儘。

別に、いいし。

「カズ、」

「はい?」

「…んふふ、」

アイツの顔を見ただけで、なんか笑顔になれる。

理由はよくわかんねえけど。

ほら、俺ってただ明るいだけじゃん?

とにかく明るい相葉、的な?笑

だからさ、迷惑だと思うの。うん。

俺がカズの隣いたら迷惑だよね?

「…なんなんすか。貴方は。」

「なんでもないよ。」

「なら、話しかけないでください。」

…負けるな、相葉。

「えぇ、冷たいなぁ。」

なんて、言ってみても…。

「冷たくて結構です。」

なんて、拗ねちゃったみたい。

…くふふ、かわい。

「嘘だよ。ごめんね。」

耳元で呟いて、カズからゲームを取り上げる。

「あ…っ、ちょっ…、」

「画面ばっか見てないでさ、俺見てよ?」

「っ…」

薄い唇に、重ねるだけのキスをする。

「…ね、俺のこと見て?」

「わか、ったから…っ!返せっっ」

「俺のことちゃんと見てから。」

カズの唇に人差し指を当てる。

ほんのり紅色に染まった頬が俺の視界に入る。

抱き締めたいけど、…ここで誘惑に負けたら、終わりだ。

「…見るから。見ますから。返してください。」

「前も約束したじゃん。俺のこと見るって。カズは、もう忘れちゃったの?」

「…忘れて、ない、けど…。」

「けど?」

意地悪してるのなんて、わかってる。

でも、そうしないとカズは答えてくんない。

「けど、なんなの?」

「……ずか…い、から…」

「ん?」

『何て言ってるの?』って耳元で囁くと、体をビクッと震わせ、涙ぐんだ瞳をこちらに向けてくる。

「…恥ずかしい、から…」

「見れないの?」

ぎゅっと目を瞑って、こくこくと頷く。

「…ふふ、可愛いの。」

「ばっ、バカ…」

頭をポンポンとしてやると、また、頬が紅色になる。

…ふ、かわい。

もう、一生手放さないもんね。

end

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