
Cream Puff
第6章 6
「え?アレ、二宮?」
「つかアイツ、メガネは?」
周りの声が耳に入る。
「おっ、にのみーおはよ。髪切ったんだぁ、超似合うよ!」
「ま、雅紀、」
ちょっと自信が出てきたかも?
なんて思っても、教室に入れば貴方はまた…
櫻井くんとばっか話してるんだもんね。
幸せそうで、羨ましくて。
「お、おはよっ、」
気づいて欲しくて、大きな声を出した。
シン…と静まり返る教室内。
勇気を出して、踏み込む。
「に、似合ってんじゃん?にの、メガネした方が好きだったけど…」
「あ、ありがと、智…」
「おう、」
きっと脈アリ。
そう思ってた。
「突然でごめん。ずっと前から智が──…」
俺が言い終わった後、ちょっと困ったような顔をして、
「…ごめん。」
って眉毛を八の字にさせて俺を見た。
…わかってた。
なにを話してても、櫻井くんしか出てこないから。
知ってた。
…恋に落ちたのは本当に一瞬で、
ゼロパーセントってわかった上での告白。
end
