
虞犯少年
第2章 愛故の冷酷
「っやめて!!!」
その手にしがみついて懇願する私を彼は冷たい瞳で見つめて、私の腕を掴む。
「どこ行くの!?」
荒々しく教室から出た。
その背中はまだ怒ってる。
無言が一番怖いのに彼は何もしゃべらない。
開いたドアの先は少し古い匂いがした。嫌な予感通り。
「まだお前は分かってねぇ。お前は誰の女だ?」
噛み付くように後頭部を抑えられキスをされる。舌が割って入ってきてやらしい音だけがよく響いた。
「分かんねーならその体に教えてやるよ」
あぁ、私ここでヤラレるんだ。
愛故の冷酷
(私は誰のものでもないのにね。)
