
虞犯少年
第25章 最初から最後まで
「……離して」
「あ?」
「触らないで!!」
全身に鳥肌が立つような感覚と、苦しみ。
どうしたらいいのか。伝わらない。誰にも分からない。私にだって、分からない。
「汚い」
「こんなのっ!!異常だよ」
「嵐は可笑しい」
「狂ってる…っ」
いくら吐き出したって収まりそうにない。
真っ正面からぶつけた思いは私の叫びだった。
グルグル回る。頭が痛い。心も痛い。
「狂わせたのはお前だろ?」
嘲笑う口元とは反対に、その瞳の色は滲まない強さが光る。
嵐を狂わせたのは私だった。
最初から最後まで
(君に全部を見透かされている。)
