
虞犯少年
第1章 覚える狂気
「お前は俺のもんだ。俺だけ見てればいいんだよ。分かってんな?」
その質問にうんともすんとも言わない私に「いいな?」と更にドスをきかせた低い声は有無を言わさない。背筋が凍る。その声、にもだが狂ったその思考にも。静かにコクリと頷けば満足したように小さく笑った。
「素直にいうこと聞いてりゃいいんだよ。そうしたら俺はお前を傷つけずにすむ」
何も分かっちゃいない。この男は。
私はもう傷ついたんだ。
こんなふうに抱かれて、しかも初めてがレイプなんてそんなの誰にも言えない。
筋肉質の体は無駄なものなんてなくて、骨なんかゴツゴツしてる。
180㎝もある身長にこの体格。それに加えて顔だっていい。
完璧だろう。女だったら惚れるし、現に今まで何人もの女の子たちが言い寄ってくる場面を目撃したことがある。
そこにいるだけで目立って、誰もが目を惹くだろう。
