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虞犯少年

第1章 覚える狂気




九条 嵐(くじょうらん)


この名前を知らない人はまず少ない。ここら辺じゃかなりの有名人。何がって、それは危険人物として。


いわゆる不良と呼ばれる類の人で、最も危険で喧嘩なんか何人がかりでも勝てないと言われてる。


それほど強いんだろう。一度だけ間近で見たことがあったけどその時は3人相手だというのにもう秒殺もんだった。全く歯が立たない。ズタボロにやられた3人を清々しいほど憎たらしい笑みを浮かべて恐ろしい言葉を吐いた。



「弱ぇくせに。俺と明日香の邪魔すんな。殺すぞ?」



その時の彼は血に飢えた瞳をギラギラさせて、まるで獣のようだった。

だけど私はそれ以上に欲にまみれて熱い瞳をギラギラさせる彼を知っている。
私の上で夢中に腰を振り、獣と化す彼を。

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