
虞犯少年
第17章 蜘蛛の絲
キッカケなんて些細なことだったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。分からないけど、これだけは分かった。
みんなが私を避けている…
今までだって嵐関係で避けられることも、ネチネチと文句を言われたこともあったけどそれとはまた違う。本格的に、私は避けられている。
それは教室に入った瞬間、肌から伝わるような冷たいもの。
特別話す訳でもない人
挨拶程度なら交わす人
雑談を少し交わす人
飯田くんの一件から男子とは全く関わらない。だけど女子とはある程度、一言二言は交わすような仲だった…のに、どうしてなのか周りからの目線はとても冷え切ってるものだった。中には私のことを嫌っていた子も居たけど、それが依然にも増している。
気のせいだとは思わなかった。あからさまな態度。嵐関係だとしても、思い当たるものは何もない。
「……明日香、実はさ…」
考えても理由が分からない。そんな私に美帆だけはいつも通りの接し方。昨日のドラマはどうだったとか、なんでもない会話が、変わらないでいてくれることが嬉しくて笑顔がこぼれる。だけど美帆が重い口を開けて、まだ言おうか悩んでるような口調で私が知りたかった理由を話し始めたことにより笑顔なんかすぐに消えた。
「噂なんだけどね…」
「噂?」
「うん…明日香は平気で人の男を寝取るとか、援交してるとか…純粋そうな顔して、彼氏がいるのに裏ではすごいって噂が流れてるみたい…」
「な、に。それ…」
ありえない。私が援交?何、その噂…
