
虞犯少年
第20章 何処で間違ったのかな
隣には楽しそうに笑っている男の子と二人の女がいた。嵐は苛ついたように眉間にはシワが寄っている。
だけど私は嵐以上に酷く苛ついている。
その光景に、嵐自身に。
私はダメで嵐はいいの?そんなのずるい。
私がどんな気持ちなのかも知らないくせに。
自分ばっか友達がいて、女とも話せて、私がちょっとでも男と話せばキレるのに。
ずるいずるいムカつく。なんで私ばっか…
もう嫌だ。こんな感情。
グルグル回る。汚いものが支配していく。
今の私、絶対醜い。可愛くない。だから嵐には会わない。何を言ってしまうか分からないから体を回転させる。
「なんで戻ろうとしてんの?」
なのに嵐はちっとも分かってくれない。
教室に戻りたい。戻りたくないけど、ここに居るよりはいい。
顔を合わせるのが気まずいくせに私の存在に気付いてくれた事が嬉しいと思ってしまう自分は重症なんだろう。
