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携帯電話で初めて詩織に電話をする

『もしもし、唐崎ですが』
『あっ！世良くん！』

詩織は名字だけで世良だと気が付いた

『世良です』
『どうしたのー？』
『昨日、詩織ちゃんにお土産買ってきたんだ』
『えっ？何処に行ったの？』
『海野町にちょっとドラ・・・・
返しにお土産・・・』
『んっ？なに？』
『あれ？』
『なんかね声が途切れて』
『うそー？』
『もしかして携帯から電話してる？』

携帯電話の電波が悪くて
声が途切れてしまっている

『あっ！はい昨日、携帯電話買っちゃって』
『番号を教えてよー』
『教えま・・・』

プープープー
電波が悪くて電話が切れてしまった

世良は急いで
詩織に電話を掛けなおした


『もしもしー切れちゃったねー』
と笑って詩織は電話に出た

『私も携帯持ってるから番号教えるね！』

詩織が携帯電話を持っていることを知らなかった
世良はちょっと驚いた

『携帯電話持ってたんだ』
『持ってるよ。携帯電話で電話すると高いから
家の電話で大概済ませてるんだ』

詩織は一人暮らしをしていた
実家は他県で
大学を卒業してそのまま就職していた


2人は番号を交換した後
明日、会う約束をして電話を切った