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パパ、もう一度抱きしめて

第13章 高めあう恋愛の先に…


それからの毎日は、私を確実に成長させていった。


遼太郎さんと会えない寂しさを埋めるように、私は勉強に打ち込んだ。

遼太郎さんだって頑張ってる。
私にも夢があった。

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「あず、いよいよ来週からオーストラリア研修だね」

「うん!初めての海外だから楽しみだな」


ミワちゃんと私は同じ境遇(恋愛も成績も)だからこそ、お互いを理解し、頑張り合えるのだった。

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その夜。遅くまで机に向かっていると、ママが夜食を持って入って来た。

「梓、少しは休憩したらどう?」


「うん…ありがとう」

するとママが心配そうに言った。


「近頃のパパね、ちょっと変なの。話をしててもどこかうわの空だし、元気がないっていうか…」


それは私も感じていた。
遼太郎さんに送られて帰った、あの日からだ…。


「ねえママ。今度のお休み、久しぶりにパパとお出かけしてもいい?」

「もちろんよ。パパ喜ぶわ」


パパと二人きりのデートは、多分これが最後になるだろう。
だから私は、いっぱい甘えるつもり。

今までの感謝をこめて。


愛をこめて。


恋人みたいに


腕を組んで歩くの……。

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