パパ、もう一度抱きしめて
第7章 そして、運命の再会
その日私は、午後からミワちゃんに誘われて、大学病院にやって来た。
合コンの時のお医者さん達がいる病院だ。
あれからミワちゃんは、北川さんが気に入ってしまったようで、自分から連絡を取ったのだ。
私は正直言って…そんなに来たくはなかった。
まぁ、ミワちゃんの付き添いだ。
「確かここで待っててって、言われたんだけどな」
平日午後の時間帯は、外来の患者さんもすでにいなくて、私とミワちゃんだけが広い待合にポツンと座っていた。
時折医学生らしきグループや、看護師さん達が通るぐらいで静かだ…。
ミワちゃんはソワソワして、何度も鏡を見て前髪チェックをしている。
すると、
「やあ!ごめんねー待たせちゃって」
と、北川さんが笑顔で現れた。
ミワちゃんが慌てて立ち上がったので、私も続いた。
「お言葉に甘えて来ちゃいましたぁ」
無邪気なミワちゃんの横で、私もぎこちなく頭を下げた。
北川さんはもう一人の白衣を着た男性と一緒だった。
ん?この人……。
私は彼に、どこかで見覚えがあった。