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迷霧

第2章 2

「圏外か……とりあえずもう少し周りを探してみよう」


 もしかしたらトイレ以外の場所にいるかもと、オレたちは凛音さんの名前を呼びながら探し回った。けれども凛音さんからの返事はなく、ただただ深い霧が広がるばかりだった。


「……ん? 今何か……」


 ふと影山先輩が立ち止まる。


「……い、お~~い!」


 どこからか声が聞こえた。
 よく見ると、霧の中で両手を振って立っている人物が見えた。


「あの人……昭さん?」


 オレたちは、女性二人組に「昭さん」と呼ばれていた人の元に歩いていく。


「どうしたんですか?」

「見つけたよ、君たちの連れの……」

「凛音さんっ?」

「免許証が落ちてたんだ!」




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