迷霧
第4章 4
「朱里ちゃん、気を付けるんだよ~! 床が抜けるかもしれないからね!」
土足のまま、廊下を走っていく朱里さんに呼びかける昭さん。いくら我慢できないとはいえ、度胸あるなとオレは朱里さんに感心していた。
家の中は昼間といえど薄暗かった。
朱里さんは廊下を真っ直ぐ走っていき、突き当たりを右に曲がっていく。まるでトイレの場所がどこにあるのか知ってるみたいだ。
ゆっくり廊下を歩くとギシギシと音がした。両側には破れた障子が連なっている。ここがお化け屋敷なら、破れた障子から何本も手が出てくるんだろうな……。
そんな妄想を振り払いながら、オレは昭さんの背中にぴったりとくっついた。
「面白い作りだねぇ、ここは居間かな?」
昭さんは楽しそうに障子を開ける。
「ほう、まあまあ綺麗だね」
そこは和室の部屋だった。
畳の上に和箪笥が置いてあり、その上にはガラスケースの中に入った日本人形が飾ってあった。
土足のまま、廊下を走っていく朱里さんに呼びかける昭さん。いくら我慢できないとはいえ、度胸あるなとオレは朱里さんに感心していた。
家の中は昼間といえど薄暗かった。
朱里さんは廊下を真っ直ぐ走っていき、突き当たりを右に曲がっていく。まるでトイレの場所がどこにあるのか知ってるみたいだ。
ゆっくり廊下を歩くとギシギシと音がした。両側には破れた障子が連なっている。ここがお化け屋敷なら、破れた障子から何本も手が出てくるんだろうな……。
そんな妄想を振り払いながら、オレは昭さんの背中にぴったりとくっついた。
「面白い作りだねぇ、ここは居間かな?」
昭さんは楽しそうに障子を開ける。
「ほう、まあまあ綺麗だね」
そこは和室の部屋だった。
畳の上に和箪笥が置いてあり、その上にはガラスケースの中に入った日本人形が飾ってあった。