テキストサイズ

迷霧

第4章 4

 まるで田舎のおばあちゃんちみたいで、ちょっと懐かしい感じがした。
 突き当たりを右に曲がるとまた廊下が続いていて、更に突き当たりを右に曲がると、奥に木の扉があった。
 なんとなく、トイレっぽい。


「朱里ちゃん?」

「あ、鍵壊れてるから開けたらあかんで!」


 ドンピシャだった。


「紙はあったかい?」

「うん! 昔ながらのボットンやけどな、紙はあったで!」


 羞恥心もなにもない会話だ。
 トイレの前で待ってるのもなんだしと、オレと昭さんは来た廊下を戻って、家の中を探索することにした。


 玄関の鍵がかかってなかったから、もしかしたら凛音さんや鈴原さんが先に入ったかもしれない。でも相当音を立ててるし大声も出してるから、いるならオレたちの存在にはすぐに気づくだろうから、ここには居ない可能性が高いだろう。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ