迷霧
第1章 1
「あーほら、おれもさ、昔バイクに乗ってたから、つい懐かしくなって声かけたんだよ~」
「へぇ、鈴原くんもバイクに乗ってたのね」
「そっ。レーサーのツレがいたんだけどさ、よくサーキットのピットに呼ばれたりとかしてさ~」
チャラ男はオレらに聞こえるようにわざと声を大きくして話し出した。
彼女──凛音さんは隣で頷きながら聞いている。
「……そろそろ、12時か。陽太、この先にうまい蕎麦屋があるんだ。行くか?」
「蕎麦! いいっすね! 行きましょー!」
チャラ男のことは無視して、オレらはコーヒーの缶を捨てに行った後、バイクのシートに跨がった。
「お蕎麦屋さんに行くの? ね、私たちもついて行っていいかな?」
ビックリした。
凛音さんはてっきり彼の話を聞いてるかと思いきや、オレたちの会話に耳を立てていたのだ。
チャラ男は不服そうな顔を浮かべたけど、凛音さんの意見には反論できないようだった。
「へぇ、鈴原くんもバイクに乗ってたのね」
「そっ。レーサーのツレがいたんだけどさ、よくサーキットのピットに呼ばれたりとかしてさ~」
チャラ男はオレらに聞こえるようにわざと声を大きくして話し出した。
彼女──凛音さんは隣で頷きながら聞いている。
「……そろそろ、12時か。陽太、この先にうまい蕎麦屋があるんだ。行くか?」
「蕎麦! いいっすね! 行きましょー!」
チャラ男のことは無視して、オレらはコーヒーの缶を捨てに行った後、バイクのシートに跨がった。
「お蕎麦屋さんに行くの? ね、私たちもついて行っていいかな?」
ビックリした。
凛音さんはてっきり彼の話を聞いてるかと思いきや、オレたちの会話に耳を立てていたのだ。
チャラ男は不服そうな顔を浮かべたけど、凛音さんの意見には反論できないようだった。