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大切な人へ ~second story~

第14章 愛してる




____「美優?」


晄人さんの声にはっとした


今日は初めて彼がわたしの部屋に来た

前のアパートよりは少し新しいけど

置いてあるものはほとんど変わらない


「懐かしい...
初めて美優の部屋に行った時の事思い出すな」

彼は嬉しそうにカップを両手で包んでいる


『花火の後ですよね...先生寝ちゃいましたね 笑』

「そうそう。目が覚めたら深夜で
美優が床で寝てたのずっと見てたな」  『えっ⁉』

思いがけないエピソードで驚いた


「可愛いなぁって
今思うと相手は生徒なのに...」

伏し目がちに自己嫌悪に落ちてる

『私としてはすごく嬉しいですよ?
もう好きで好きで仕方なかったから』


彼はふっと笑って 横にいる私を抱き寄せた

「ありがとう
美優が告白してくれたから
一緒にいられるようになったんだもんな」

『でもいっぱい悩ませちゃいましたよね?
私は一緒に居られるだけで舞い上がってました』



「...そういうの言い出したら
俺ら長くなるから止めよ?もう過ぎた話しだし」

そうだねって笑うと目が合って

また自然と唇が重なる...



私たちが変わっていくのはこういうところだ

悲しい過去も悩みも昔の話にしていきたいね



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