アルバムの中の天使
第3章 第3章 初恋は天使
リンリンリンリン リンリンリンリン
頭のすぐ上のほうで容赦なく鳴り響く
勝利は2回目のアラームで飛び起きた
今日は初めて彼女に会う特別な日だ
朝から必要以上に顔を洗い
必要以上に歯を磨いた
何度も着替えを変え
結局勝利は黒色のパーカーに袖を通し
お気に入りのデニムを履いてベルトを通した
用意が終わると
家を出てバス停まで歩く
バスに乗るとそのまま待ち合わせの駅へ
2時間早く着いた勝利は
予約していた駅前の美容院へ
ドキドキの高鳴る胸を抑えながら
約束の時間は刻一刻と近づいてきた
美容院を出ると
余った時間で街を歩き
今日のデートの順序を何度も
心の中で繰り返し
頭に叩きこんだ
待ち合わせ10分前
いよいよだ
ゆっくりと駅の改札に向かう
彼女が乗るはずの電車の到着時刻を確認する
5分後だ
気持ちが落ち着かない
手には汗がにじみ出る
足の震えが止まらない
勝利は改札近くの長椅子に腰かけた
その瞬間勝利は気づく
すでに向かいの椅子に彼女はいた
聞いてた服装がそれを決定づけた
彼女はまだ俺に気づいていないようだ
勝利は思わず椅子から立ち上り
いったんその場から離れた
そして少し離れた所から彼女を見た
とてつもなくかわいい
どのアイドルにも負けていない
まさに最上級の美少女だ
今さらだが俺とでわ格が違いすぎる
少し弱気になりながらも
ゆっくりと彼女の方へ
『みずき? だ、だよね?』
その言葉に彼女が振り向いた
『あっ、勝利くん?初めまして』
彼女は俺を見てニッコリと微笑んだ