LIFE
第11章 見つめていたい〜eyes〜
* n eyes *
風が僕の頬を撫でる。
視線の先には澄み切った青と鮮やかな緑。
新緑の季節、あの人を見つけた。
それから毎日、学校に来るのも楽しくて。
放課後、部活や委員会、塾やバイト、それぞれが散らばって行く中、僕はダラダラと机の中の教科書やノートを鞄に詰めて、クラスメイトがいなくなるのを待つ。
誰もいなくなった教室。
自分の席を立ち定位置へと移動をする。
スキップや鼻歌でもしそうな気分になって。
窓辺に行って校庭の奥に焦点を合わせるとあの人を捉えて少し胸の音が早くなる。
今日も綺麗。
綺麗な長い手足を伸ばしてストレッチ。
綺麗なのは顔も。
整った顔…
それを崩して笑うのが可愛くて綺麗。
その人は周りの人と喋りながらストレッチや準備をして。
スタート位置に立って大きく深呼吸。
クセなのか一度軽く飛んでから走り出す。
綺麗な人は
今日一本目のジャンプをした。