LIFE
第19章 つかまえたい!〜scene2〜
あいつは仕事をどんどん覚えて、加えて接していれば皆が好感を持つ人柄の良さもあって、上司…結構上の立場の人にも気に入られている。
ほら。
今日だって仕事の連絡で来たはずの俺の先輩だって、楽しそうに雑談して長居してるし。
俺は直属の部下が仕事ができるようになり慕われて、嬉しくもあり寂しくもあり。
俺もかなり頼りにしている。
元々はすごく賢いって部類でもないと思うけど、とにかく努力家だし、不器用なりに一生懸命。
俺のそばで仕事をすることが多いから俺のやり方を見よう見まねで盗んで自分のものにしていってる。
俺も教育係としてポイントポイントで教えてはやってるけど。
でも、習うより慣れろだ。
それに相葉くんはこう言う。
「二宮さんみたいに仕事できるようになりたいです。」
「二宮さんを見てると仕事の進め方がわかります。」
ちょっと買いかぶってると言えば、ニコニコして言う。
「二宮チルドレン?
ううん、ただのファンかも。」
そんな相葉くんが俺は可愛くて仕方がない。
もうすぐ研修期間も終わり正式な部署へ配属される。
手放したくない気持ちと、このまま側に置いているのは仕事に差し支えたりして?との危惧もあった。