テキストサイズ

LIFE

第19章 つかまえたい!〜scene2〜



ベッドへ優しく落とされて自分のベッドの感触やシーツや枕の匂いに落ち着きを取り戻して、身体を重ねてこないのを不思議に思ってると俺を見下ろしていた相葉くんは、

「ちょっと待っててください。」

寝室から出ていった。

さっきから相葉くんの心が読めない。

俺とそういう関係になりたいと思って、そうかそうかと待ち構えていると肩透かしにあう。

はじめてうちに来た日だってそうだ。

俺が強引にコトを進めようとしたのに。

今日もあれで終わったらどうしよう。

まあ相葉くんがそこまでいくのを躊躇するなら仕方ないのか。

無理強いしてもな。

いや待てよ。

俺のテクニックというか努力でいけるんじゃないのか?

そんなことを考えていたのに戻ってきた相葉くんが恥ずかしそうに手にしていたものを見て俺の悩みは遥か彼方へ。

その手にはゴムとローション。

「あの…」

ずっと恥ずかしそうにしていてチラッと俺に視線を送る。

「…ありがとう。あれ?ありがとうってのは変か?」

「?」

「あったのに、ゴムもローションも。」

上半身を起こしてそれらを手にしたままの相葉くんをベッドの上に導く。

知ってたはずだ。

相葉くんが真面目なのは。

そして優しいってことも。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ