LIFE
第28章 sugar honey
部屋に入ると服を着替えにいなくなった。
エコバッグを丸ごとテーブルに置いて突っ立ってるとリビングに戻って来たにの。
でも俺の近くに来ない。
どうしたもんかね。
恥ずかしいけど。
俺だって恥ずかしいけど。
俺は確かめたいから。
じれったいな
とにかく行動に移してみるかと、ひとまず俺が座るとようやくにのも座った。
あれ
立っててよかったかも
なんて思いながら、にのに向き合う。
「にの。」
「なに…」
正座して膝で歩いてその距離を縮めると上半身のけぞったにのに思わず吹き出した。
「キスしていい?」
「なんで。」
「んー、キスしたいんだよね、俺。」
「…」
「理由になってないか。」
そう言いながらも、もうキスした俺。
ちゅ、ちゅ
オルゴールの回りながらキスする小さい子の人形みたいに口だけ突き出して何度かキスをする。
顔に手を添えようとした時。
また形勢逆転。
にのに跨られ、こないだと同じように、
いや
こないだより濃厚なキスにノックアウト寸前。
自分から誘っといて、どういうことだ。
「に、にの?」
息つぎでやっと口から離れたにのに話しかけると、冷静になったのか俺を悲しそうに見る。