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LIFE

第3章 まだ恋は始まらない〜出会ってしまったふたり〜

「お待たせ。」

雅紀が座ったイスのとなりに立つ。

「ううん。今来たの?」

「うん。」

「ビール?」

「そーだね。」

そのやり取りを見て又ママがチャチャを入れる。

「ちょっとぉ。あんたたち~。
もう、そうなのね?」

……

俺たちは顔を見合わせてだんまり。

俺と雅紀を交互に見てママはニヤニヤしながら俺の前にビールを置いた。

「ふ~ん。」

「…なんだよ。」

「別に~。」

さすがだな。

一発で見抜くとか。

俺、わかりやすい?

雅紀だよな、どっちかっていうと。

雅紀を見ると、心なしかデレっとしてるようにも見える。

そんな雅紀を見て俺もデレっとなったと思い両手で顔を擦る。

…どっちもどっちか。

「どうしたの?」

雅紀が覗く。

「いや、なんでもない。」

なんでもなくはない。

もう今すぐキスしたい衝動に駆られてるし。

俺…ハマったな、完璧に。

ママと喋りながら笑ってる雅紀が楽しそうで。

誘ってよかったとタバコを燻らせてたらママと目が合って。

雅紀が顔見知りの客と喋ってる隙に小声で言い放つ。

「和?
前に言ったわよね。」

「んー?」

「まーくん。
遊ばないでよ。
もし遊びなら、やめて。」

「あー。大丈夫。
遊びなんかじゃないよ。」

「そう。ならいいわ。」

ママは優しく笑った。

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