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第2章 F☆MIX

 だが、下里は嫌な気はしなかった。


 まりんはキツい印象はあったものの、下里好みの美形。肩までの内巻きヘアーに、携帯電話のCMで白い犬をお父さんと見立てた家族の娘役に、なんとなく雰囲気が似ている。


 だが、自分はその家族で例えると、黒いお兄さんの部類に入るだろうと思った。


 その時点で、心は負け組になった。でも、今は負けも勝ちも関係ない。自分を説明するのみ。


「実は僕も、オフ会に参加しようとちょっと早めに駅に到着して……新しいカフェの無料コーヒーの配布を頂いてから……」と、そこからの記憶がない。


「あれ……その後どうなったんだ?」


 下里は何度も頭を傾げる。


 すると……


「もう、さっきからうるさい!! ゆっくり眠れやしない!!」と、さっきまで倒れていた中学生の男の子と見られる人物が、起き上がった。



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