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BOXルーム

第7章 時間を、また戻してみる

「すいません……起きてください……すいません」



 誰かが呼んでいる。


 ひょっとして、自分を呼んでいるのか?


 上は赤いTシャツに、下は所々破けたダメージジーンズに素足という出で立ちのその男は、うっすらと目を開けた。やや頭がボォーっとする。


 目の前には、色の白いパッチリ目で小顔の女が、こっちを見ている。



 誰?



「あ……よかった、気がつきました?」


 女はそう言うと、少し体を下げる。


 白いショートパンツに黒のストッキング。柔らかそうなピンクのサマーセーターがよく似合う。


 男はある異変に気付く。


「えっ!?」


 今いる状況を見て、勢いよく起き出した。


「なに? ここは……どこよ?」


 6畳ほどの広さの部屋に赤い絨毯が敷かれ、周りは白い壁に囲まれていた。


 部屋には段ボール箱が2つ、端っこにつまれているだけだった。


「大丈夫ですか?」と、女が声をかける。


 男は女の顔をジッと見つめ『あなたは誰?』と、心で思った矢先、なぜか「可愛い、付き合って……」と、言ってしまった。


「ええっ!?」


 女は驚いた。


 男は慌てて自分の口を押さえる。



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