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第7章 時間を、また戻してみる

「やべっ!! 心で思ったことと、口に出す言葉を間違えた!! ごめん、気にしないで!!」


 男は顔を真っ赤にして弁解する。


 女も顔を真っ赤にして少し照れ笑いを見せる。


 まさか、一目告白されるとは、思っても見なかっただろう。だが、その目は「ごめんなさい」だった。


「あ、でも気が付いてよかった。ピイコさ〜ん、この方、気がつきましたよーっ」


 女がそう呼ぶと、男の後ろにあるドアから50代の女性が現れた。


 細身で黄色いTシャツにショートパンツ。首に青いタオルを巻いている。


「あ、よかった。起きはったんやね」


 50代の女性は男の前で膝をついて座る。


「のたまんちゃん、隣はテーブルとポットだけやわ。何にもあらへんよ」


「それだけ? なんなのこの部屋!」


 男は、二人の会話がなんなのかまったくわからない。しかも、名前らしき「ピイコ」と「のたまん」とは、なんぞ?


「あの……愚問と思われるかも知れませんが……ここはどこでしょう?」


 男がそう聞くと、のたまんと呼ばれていた若い女が表情を強張らせた。


「まったくわかりません」


「はぁ?」



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