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第10章 いざ脱出

 純化が答えるように促すと、ホルモン王子は大きく息を吸ってひとつひとつの名前を読み上げた。


「田中幸平、山本昌美、東一夫、中田共三………この4つの名前が答えだ」


 しっかりと画面を見据え、力強く名前を読み上げると唇を噛み締め、ギュッと受話器を握り締めた。


 ピイコはなにがどう共通しているのか、まったく分からなかった。


「のたまんちゃん、ホルモンが答えた名前に何か共通するものはある?」


 のたまんは無言で頭を傾げるが、何かに気が付いたか、ゆっくりと目を見開き、口を開けた。


「あ……そうか……だから風呂場がヒントだったんだ」


「え? どう言うこと?」


「それは、ホルモンさんがこれから説明します」


 のたまんはそう言うと、ホルモン王子を静かに見守った。


『なるほど、で、それを選んだ理由は?』


 純化がそう尋ねると、ホルモン王子はニヤリと笑みを浮かべた。



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