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第10章 いざ脱出

 ピイコとのたまんは、うんうんと頷きながら見ていた。


 ホルモン王子は頭の中で整理していたものを、順に答えていく。


「壁に残ったヒントで、さっき答えたものは間違いだった。つまり、ヒントはそっちではなく、浴槽に落ちた方。目と口の字が入ってない方だったんだ!」


『……』


 純化は無反応だった。


「まだ、終わってない。しかも、あの風呂場は昔ながらの銭湯のような造りになっている。実際の銭湯なら鏡に合わせた様に左右対称の造りになってたりする。だが、違うのは男か女かだ。その意味合いで言えば左右対称じゃなくなる」


 ホルモン王子は力説するが、純化は黙ったままだ。


 のたまんが拳を握り締めた。そして、眉を寄せしきりに首を横に振る。


「何言ってんの……ホルモンさん」


 ホルモン王子はさらに続ける。


「つまり、同じでは無いんだよ。だから、名前に口と目が組まれておらず、左右対称になってないことから……」



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