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第11章 迷路

 三人は同じ様な鉄の通路を、うろうろと徘徊していた。


 扉を見付けるたびに開けてはみたが、ボイラー室か掃除用具入れだった。


「まるで気持ち悪い迷路ですね。なんのために作ったんでしょう?」


 不気味な要塞の様な構造に、やや恐怖を感じていたホルモン王子は、そう言いながらも気丈に振る舞う。


「あれ、右側に曲がれるんじゃない?」と、ピイコが言う。


「とりあえず、行ける所は行くしかないでしょう……迷ってんだし」


 ホルモン王子はすでに成り行きに任せだった。


 角を曲がると真っ直ぐな一方通路。


 奥には何かが見える。


「あそこ、何かありますね」と、言ってのたまんは真っ直ぐその方向に指を差す。


 ホルモン王子は目を細くしてその方向を見続けた。


「あれ……人じゃないっすか?」


「え? 本当?」


 目が悪いピイコは目を細めすぎて、やがて目を閉じてしまう。



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