テキストサイズ

BOXルーム

第12章 まりんと松

「あの野郎、あんな所にコーヒー置きやがって」


 その階段の1段目に白いコーヒーカップがお皿に乗ったまま置かれていた。松はそれを手に取ると、軽く口をつけた。そして、まりんに気になったことを聞いてみた。


「ところで、F☆MIXてなに?」


「……え?」


 突然、話し掛けてきた松にまりんはうろたえた。


「さっき上でみんなが言ってたじゃない。本当に知らなくてさ……」


 松はぬるくなったコーヒーをすすりながら聞いた。


「F☆MIXですか?」


「そう」


 まりんは階段に座り込み膝に肘をつきながら答えた。


「携帯やパソコンを使って、ネットを通して友達を作るサイトなんです」


「出会い系みたいなもんか?」


「一歩外れたらそうなるかも知れない。でも、それが目的って訳でも無いし……同じ趣味の合った人達と共通の話をしたりして、オフ会とかで実際に集まって話たりとかして、楽しいですよ」


「でも、実際に会ってるから出会い系かもな」


「そうなのかなぁ……」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ