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第2章 F☆MIX

「桃太郎さん、これ、かなり化膿してますね。ひょっとしたら凶器の先に強くない毒が塗ってあって、その毒成分と雑菌がジワジワと脳に移ったんじゃないでしょうか?」


「さすが看護師さんだ。その方向も考えられますよ」


「かなり当てずっぽうですが……」


 だが、まだこれが殺人事件とは断定できない。証拠が不十分すぎる。


 刑事としては、先に片付けたい課題だが、それどころではない。


「るかさん、とにかく仏さんはこのままにしておきましょう。もしかしたら、次は我々の誰かが犠牲になるかもしれません。一ヶ所にかたまってみんなで捜査しましょう。その方が安全です」


 桃太郎がそう言うと、るかは右手をグーにして親指を立てる。


「そのプレゼンに賛成です」


 二人は遺体をそのままにし、隣の部屋に移る。


「桃太郎さん」と、下里が歩み寄る。そして、冷蔵庫を指差した。


「あの中にテレビが入ってるんですよ」


「え!?」


 冷蔵庫は小さめで、17リットル型で、縦横だいたい40センチくらいのものだ。


 扉を開けると、中からカーナビサイズの画面が見える。



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