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第16章 ルキア

 ルキアも号泣していた。


 何かから解き放たれたように、顔をぐちゃぐちゃにしながら泣き叫んだ。


「ああああぁぁぁーーー、うわぁーーーーん、バカァーーー!!」


 ルキアはホルモン王子に向けて叫んでいた。そして、力が抜けたのか、その場で座り込んだ。


 ホルモン王子は手に持ったピストルを眺めて見た。


「あれ? これ、リアルだけどモデルガンじゃない」


 そう、ピストルは完全な偽物。


 だが、実は、なぜここにピストルがあったのかは、ルキアも知らなかった。


 全体の空気が濁り、ただ一人、ピイコだけが、単独オフ会をはじめていた。


 なにかが気になっていたのか、のたまんはポツリと言った。


「私……参加登録されてたんだね……知らなかった」


 本人だけにしかわからない、そんなどうでもいい事実は、誰も気にはしていなかった。








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