テキストサイズ

BOXルーム

第16章 ルキア

「……はい」


 ルキアは素直に、ピストルをホルモン王子に渡した。


 ――何が起こった?


 まったくわからなかった。


「ここまでやったら充分じゃないですか。もう、復讐出来てます。終わりにしましょう」


「……そうね」


 ルキアはホルモン王子の言うままに、大人しく引き下がる。


 何かを思い出したのか、のたまんは「ああっ!!」と、声を上げた。


「そうか……催眠術だぁ。ルキアさんはさっき純化だって言ってたから……まだ、ホルモンさんの命令に従えたんだ……て、まだかかってるの?」


 ホルモン王子が部屋から脱出するのに、催眠術を利用して、抜け方を聞いていたのを思い出した。


 まりんはるかに抱えられるように起きた。


 怖かったのだろう。涙で顔がぐちゃぐちゃだった。


「宮田……ルキアさん……ごめんなさい……本当にごめんなさい……ごめんなさい」


 涙声でそう訴えると、立ち尽くすルキアにまりんは自ら近付いた。


「許して……もう反省してるから……」


 泣き叫びながらまりんはルキアの顔を見た。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ