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BOXルーム

第4章 脱出

 松とまりんの二人が、忽然と姿を消した。


 もちろん、トイレにもいない。


 探す必要の無い部屋でいなくなるということは、やっぱり消えてしまったということだろうか?


 そうなると、下里と桃太郎が肩を落とす。


「なんで、あの娘がいなくなってこのおばさんが残ってんだよぉぉ……」と、桃太郎が嘆く。


 すると、るかが睨みをきかせて言った。


「公務執行妨害罪とわかったうえで、どつきまわそうか!!」


 身長は低いが態度がデカイるかに、桃太郎はただ這い蹲うばかりだった。


「クッソーっ!! あの二人をどこやったんだ!! 純化めぇ!!」と、下里が怒りを露わにする。


「あまり刺激しない方がいいかも? 人質に捕られてたらどうすんの? まず、二人の安全を考えましょ」


 るかは冷静に下里を宥める。


 だが、相手を桃太郎にチェンジすると……


「てか、てめえは刑事のクセになにやってんだボケッ!!」


 罵声のシャワーを浴びせる。


「す……すいません」



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