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第4章 脱出

 蚊の鳴くような声を出しながら、許しを乞う桃太郎に、るかは条件を出した。


「じゃあ、今画面に映ってる問題を解きなさいよ」


 いつの間にか、カーナビの画面に問題が横書きで映し出されていた。



 終電間際の駅の中
 雪の舞うホームに立つ
 うちに帰れない娘が
 また、過ちを繰り返す
 今も一人が好き


『この文章を読んで私の好きな料理を当てなさい』



「なんだこれ? 無茶苦茶じゃないか!!」


 桃太郎は、頭を掻きむしりながら言った。


 この文章になんのヒントがある?


 どう料理名を出せばいいんだ?


「そのホームに立つ娘さんの、心理状態を読めってことですかねぇ?」


 下里が腕組みしながら言うと、るかがパンッと手を叩いた。


「それだ!! 雪の中のホームだから寒いんだ!! こたつで家族と食べる……湯豆腐!!」


「おでん」


「水炊き」


「てっちり」


「シチュー」


「豚汁」


「鍋焼うどん」


「その他……」



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