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第4章 脱出

 核心にせまる答えが見つけられないまま、時間だけが過ぎていく。


 腕を組み、何度も読み返し、見ないでも問題が口から出るほど暗記してしまったにもかかわらず、何も出て来ないまま、ただの画面とのにらみ合いが、しばらく続いた。


 すると「あっ!! 解った!!」と、下里が声を上げた。


 キュッと口を閉め、思わず腕に力が入り、ヨシッと自信ありげだ。


「るかさん、桃太郎さん、文章の頭文字を縦に読んで下さい」



 終電間際の駅の中
 雪の舞うホームに立つ
 うちに帰れない娘が
 また、過ちを繰り返す
 今も一人が好き



 るかが声を出して読んでみた。


「し……ゆ……う……ま……あ!! シュウマイ!! シュウマイだ!!」


「よくあるパターンの問題だったんですよ!! 文章の中に答えが隠されてたんですよ。さっそく答えを言いましょう」


 桃太郎が冷蔵庫の後ろにある、内線の受話器を手に取り、純化が出るのを待つ。


「終電間際の駅の中、雪の舞うホームに立つ、うちに帰れない娘が、また、過ちを繰り返す、今も一人が好き……畜生、覚えてしまった」



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