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BOXルーム

第5章 時間を戻してからの、話

「ねぇ、すいません。起きて下さい」


 肩までのウェーブヘア。ピンク色のブラウスに黒いスカートを穿いた、少しポチャめの女性が、倒れている女性に声をかける。


 足を曲げ、仰向けに眠る女性は黒いショートボブヘアで、上はどこかのサロンのユニホームだろうか? 水色で無地の、丈が腰くらいの白衣を着て、下は黒のパンタロン姿。年は30代半ばと思われる。


 二人は、6畳ほどの部屋にいた。白い壁に囲まれ、赤い絨毯の床に、40型のプラズマテレビ。丸いテーブルと1台のファックス付きの電話があった。


 茶色い扉がひとつあるが、開ければ変な男が立っていた。190センチくらいで、おそらく200キロはあると思われる大男だ。


「ねえ、ちょっと……起きてよぉ……」


 女の名前は桃地晴海(ももちはるみ)。舞台女優で、「ももっち」と言う愛称で脇役としてドラマや映画にも、たまに出ている。プロフィールでは32歳だが、実年齢は40歳だ。




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