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前の奥さんの浮気で離婚になり、それで隼君の親権は渉さんになった。

隼君は、私にも懐いてくれている。

あとは、郁の気持ち次第だけの状態。

「でも、本当に私で良いの？」

今更だけど、まだ心の中で迷いもある。

「私は犯罪者の妻で、郁は犯罪者の息子なのよ」

私の元夫の水無月翔太(みなづきしょうた)は、２年前に郁が中学２年生の時に、いじめられた件で人殺しの罪を犯してしまった。

翔太さんは逮捕後、面会で私と郁に何度も泣きながら謝った。

私と郁は、翔太さんが出所するのを待つつもりでいた。

だけど、翔太さんは刑務所内で部屋の窓のガラスを割り、ガラスの破片で手首を切って自殺してしまう。

理由は多分、面会の時にも言ってた俺と離婚して、私と郁に新しい人生を歩んで欲しいって理由だろう。

それを、私が拒否したから自分が死ぬ事で、私と郁を解放しようとしたと思う。

「何度も言っただろ？
きみの前の旦那さんは、郁君を助けるために犯罪を犯した」