となりのアイツ AN
第112章 卒業、そして となりのアイツ9 かずくん
そして今日
ついにわくわくドキドキの土曜日がやってきた
朝9時から引っ越し業者が来て
手早く荷物を運んでくれる
家から持っていく物のほかに、近所のトランクルームによって
置いてあった家電も積み込んだけど
新しいマンションに着いた時には
まだ10時前だった
隣の県と言ってもホントすぐ近くだな、と感じたけど
それでも この少しの距離が堪らなく遠く感じたのも事実だ
ちらっと見たところ
まーくんの部屋のカーテンはレースの方だけ閉まってて
中の様子はよくわからない
けど、洗濯物は干されてるから もう起きてるのは確実だ
もしかしたら引っ越しのトラックが着いたのに気づいて
中から見てるかもしれないから
万が一にも俺だと見破られないように
キャップを深くかぶり タオルで汗を拭くフリをしながら
顔を隠すようにして鍵を開ける