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となりのアイツ AN

第21章 初デート4 かずくん

4-5

「いろいろと・・・楽しかったよね・・・?」
「うん」

「今日は・・・一人の方がいい?」
「え・・・」

「かずくん疲れてるみたいだし・・・俺、今日は帰るね」
「あ・・・ちょっと待って・・・」

「・・・何?」
「あの・・・さっきのこと・・・説明するから・・・・・・説明・・・させて・・・」


そう言って俺の部屋にまーくんを招き入れたけど・・・
発泡酒を渡しても まーくんは手の中で弄ぶだけで
口をつけようとしない。

俺はぐびぐびと半分位一気に飲んで 大きな息をつき、
頑張って言葉を搾り出す。


「あの・・・さっきの・・・見た?」
「ベンチのカップルのこと?」

「うん・・・」

「暗くてよく見えなかったけど、・・・男の方はもしかして同じ高校だった奴かな・・・」
「うん・・・」

「もしかして・・・卒業式の時の・・・」
「うん・・・」

「かずくんの元カレ?」
「ちげーよ!」


前にも違うって言ったのに・・・
でも俺のさっきの態度は明らかに変だったし、そう思われても仕方ないのか?


「ホントに違うの?俺、別に過去のことは」
「違うってば!」


やめろって・・・。

ほら記憶が、感触が蘇る。

無理やり入ってきて口の中を舐め回す舌。口の中に広がるタバコの匂い。
それから服の上から俺のカラダを無遠慮にまさぐってくる掌。


思い出すだけで気持ち悪くて、悔しいけど怖くて、そんな事態に陥る羽目になった自分の迂闊さが腹立たしい。

吐き気さえ催す気がして思わず唇を噛み締め手で口を覆うと

「まさかつわりじゃ・・・」
「おい!!」

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