となりのアイツ AN
第21章 初デート4 かずくん
4-4
どっかで聞いたことある名前だ・・・
思わずちらっとそっちを見て、ぎょっとする。
相変わらず濃厚なキスの最中のソイツの顔、半分位しか見えないけどそれでもわかる。
あの顔は・・・、あの濃い顔は、アイツだ!
元野球部で・・・俺に迫ってきた山田孝之・・・!
女の子の腰に回されてた手がいやらしく動き始める。
立ち止まった俺に怪訝そうな表情をするまーくん・・・
はっ、と我に返り、一転足早に歩き出す。
冗談じゃない、アイツに気づかれないうちに早く立ち去らないと・・・!
なんだってこんなところに・・・
こんな人出の多い中で出会わなくても良さそうなもんなのに・・・
あぁ、だけど向こうより先に気づいてよかった。
これが逆だったらと思うとホントに恐ろしい・・・
それにまーくんに知られたら・・・・・・・・・
知らないうちに俺は競歩さながらのスピードで歩いていたらしく、まーくんが声を潜めて追ってくる。
「待って・・・かずくん・・・どうしたの?」
「え?あ、ごめん・・・ちょっと・・・ごめん・・・」
まーくんは気づいてないみたいだ・・・
よかった・・・でも・・・・・・
「あの・・・ごめん・・・今日はもう・・・」
「帰る・・・?うん、また来ればいいよね・・・帰ろっか・・・」
俺の勝手にも文句の一つも言わない・・・ホントにまーくんは優しい。
きっと何事かと思いながらも俺の様子を見て何かを感じ取ってくれてるんだな・・・
黙って切符を買って黙ったまま電車に揺られる。
窓の外を流れていく光を見ながら
俺はまーくんにどう言おう、どう言おうと。
そればかりを考えていた。
どっかで聞いたことある名前だ・・・
思わずちらっとそっちを見て、ぎょっとする。
相変わらず濃厚なキスの最中のソイツの顔、半分位しか見えないけどそれでもわかる。
あの顔は・・・、あの濃い顔は、アイツだ!
元野球部で・・・俺に迫ってきた山田孝之・・・!
女の子の腰に回されてた手がいやらしく動き始める。
立ち止まった俺に怪訝そうな表情をするまーくん・・・
はっ、と我に返り、一転足早に歩き出す。
冗談じゃない、アイツに気づかれないうちに早く立ち去らないと・・・!
なんだってこんなところに・・・
こんな人出の多い中で出会わなくても良さそうなもんなのに・・・
あぁ、だけど向こうより先に気づいてよかった。
これが逆だったらと思うとホントに恐ろしい・・・
それにまーくんに知られたら・・・・・・・・・
知らないうちに俺は競歩さながらのスピードで歩いていたらしく、まーくんが声を潜めて追ってくる。
「待って・・・かずくん・・・どうしたの?」
「え?あ、ごめん・・・ちょっと・・・ごめん・・・」
まーくんは気づいてないみたいだ・・・
よかった・・・でも・・・・・・
「あの・・・ごめん・・・今日はもう・・・」
「帰る・・・?うん、また来ればいいよね・・・帰ろっか・・・」
俺の勝手にも文句の一つも言わない・・・ホントにまーくんは優しい。
きっと何事かと思いながらも俺の様子を見て何かを感じ取ってくれてるんだな・・・
黙って切符を買って黙ったまま電車に揺られる。
窓の外を流れていく光を見ながら
俺はまーくんにどう言おう、どう言おうと。
そればかりを考えていた。