となりのアイツ AN
第3章 となりのアイツ3 かずくん
このままここに…まーくんの近くにいたら
俺は何をするかわからない。
高校に入って 目立ってモテ始めたまーくんは
同級生はもとより、上級生にも下級生にも人気があり、
果てはよその学校の女の子からも告白されて
数人の子としばらく付き合ったりしてた。
初めて ラブレターもらった、と相談された時の
俺のショックは 今も思い出すと苦しくなるほどで…。
「ねぇ、かずくん、どうしよう?どうしたらいいと思う?」
「まーくんはその子のこと どう思ってんの?」
「俺?…さぁ…あんま喋ったことないし…」
「じゃあ、断れば?」
「え~、だって 一生懸命手紙書いてくれたみたいだし。“友達からでも”って書いてあるよ?」
「じゃあ、付き合えば?」
「うーん、でもよく知らない子だしなぁ…、かずくん、どんな子か調べてくれない?」
「はぁ?やだよ、なんで俺がそんなこと…」
「だってぇ…」
「自分のことだろ?自分で何とかしろよ」
…なんて言ったくせに
結局 俺はその子の噂を さりげなく聞きまわる羽目になる。
…だって仕方ないよな。
タチの悪い子と まーくん付き合わせるわけにはいかないし…