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となりのアイツ AN

第28章 夏休み1 かずくん

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その瞬間 全てがわかった、というか思い出した。

見たことある顔だと思ったのは 前に告白された子だからだったんだ・・・・・・

でも 「顔も名前も忘れてた」なんて いくらなんでも言えるはずないし・・・・・・


「・・・あの・・・ごめん・・・」
「・・・やっぱり・・・?ううん、いいの、ダメ元で言ったんだから・・・
あ、オイル塗れたから ・・・もう行くね」
「あ・・・ありがと・・・」



うわ、俺って信じられない 酷い奴・・・?
でも マジに忘れてた・・・



まーくんは この子が 俺に告白したことあるって 知ってるんだろうか?

知ってる、よな・・・

だとしたら、まさか俺が この状況を喜んでるとか思ってたりして・・・

もし、そんな風に思ってるなら 早く誤解を解かないと!



俺は ガバっと立ち上がり みんながいる方向を見渡してみたけど・・・


まーくんが いない・・・
数えてみると 誰かもう一人足りない・・・
だ、誰と何処行ってんだ?


確か女子は5人いたはず。
顔なんて覚えてないけど とにかく誰だよ?

と、思い 数えてみると・・・5人揃ってる。


・・・なんだ 男と行ってるなら大丈夫か・・・

いや、待てよ、胸騒ぎがする、危険な匂いがする。

考えすぎだ、と自分を笑いながらも ひたすら辺りを見回すと 売店の方へ歩いていくまーくんと・・・あれはもこみち?


マズイ、密かに警戒してる奴だ。

こっそりと、でも一目散に俺は走り出した。

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