となりのアイツ AN
第28章 夏休み1 かずくん
「あれ、男同士でオイル塗るなんてアヤシクない?」
頭の上からの声に思わず目線を上げると・・・
えっと、確か・・・マネージャーやってた子かな?
・・・名前忘れたけど・・・
「べつに怪しくなんかないじゃん、フツーだよ」
「でも 相葉くんの手つきが やらしくて なーんかアブナイ感じ、 貸して。私が塗ってあげるから」
「え・・・、だって・・・」
「二宮くんだって 男に塗ってもらうより 女の子に塗ってもらう方がいいよね?」
「え?俺? ・・・あ、うん。 まぁ・・・」
「ほら、二宮くんもこう言ってるから。 はい、オイル貸して」
「チェッ、 じゃあ俺 海入ってこようっと」
まーくんは ちらっと俺の顔を見た後、女の子にオイルを手渡して 海の方へ走っていってしまった・・・
俺は 大人しく俯せになりながらも 心の中で (どうしよう、今のまずかったかな、まーくん怒ったのかな・・・)と気が気じゃない。
と、背中にオイルを伸ばしてくれながら 声がする。
「二宮くんはこういうの嫌いかと思った」
「え・・・ナニ?」
「みんなでわいわい騒ぐの」
「・・・そんなことないけど・・・」
「私が来るのは聞いてた?」
「・・・いや・・・」
来るの聞いてたも何も、名前も思い出せないんですけど・・・
「そっか・・・来ること知ってても 来てくれたのなら 避けられてないってことで・・・
もう1回 頑張って告白してみようかな・・・とか思ってたんだけど・・・」
「え・・・・・・」
「今でも・・・好きだから・・・」